私の出生地[浜松市]美術館で声優[鳥海浩輔さん]が音声ガイドを務めている展示会があると聞きつけ、さっそく行ってきました。『挑む浮世絵』では幕末屈指の人気絵師【歌川国芳(うたがわくによし)】とその弟子だちの奇抜で豪胆、自由闊達な浮世絵を数多く展示。圧倒されっぱなしの3時間!素晴らしい音声ガイドと物語性に富んだ、現代のマンガやアニメに通ずる知己に富んだ絵に大満足です。
鳥海さんの声が待っている!浜松市美術館へ行こう
JR刈谷駅からJR浜松駅までの運賃は1,520円、豊橋での乗り継ぎが上手くいけば所要時間1時間10分で到着します。
浜松駅に到着したら、お次はバスターミナルへ。
久しぶりに浜松駅周辺を歩き、気分が高揚します。懐かしい!
浜松市といえば餃子。餃子デザインの自販機を見つけてニヤリ。
バスターミナル№1でバスに乗ります。
浜松駅からバス停[美術館]までは130円です。
遠鉄バスに揺られて6分。間もなく到着で~す。
[美術館」バス停前には浜松城公園前交番が建っています。お城の交番って面白い。浜松市美術館は浜松城公園と同じ敷地内にあります。
鳥の鳴き声が響きわたる、深い緑の中にひっそりと建つ美術館は迷うことなくすぐに到着しました。
しゃれこうべ~~~~
上にもしゃれこうべ~~~~良い天気に恵まれて幸せです。
築約50年の浜松市美術館は外壁に苔が生え、ノスタルジックな美術館独特な雰囲気を醸し出しています。
この日はちょうどキッズウェルカムデー。毎週水曜日は子供たちが美術館・博物館の受付でパスポートを提示すれば、何度でも無料で入館できるそう。羨ましい!
声優 鳥海浩輔さんとご対面!
『挑む浮世絵』入館料は通常1,200円ですが、JAFカード提示すると960円です。そしてお目当ての音声ガイドは別売り600円。イヤホンマークがついている絵で音声ガイドが聞けるそう。全部の絵ではないのですね!そしてあなたは黒いソフトハットがトレードマークの声優[鳥海浩輔(とりうみこうすけ)さん]をご存知でしょうか。写真を見ても、名を聞いても分からない方でも絶対に何処かで聞いたことのある声ですよ。
弱虫ペダル/ 今泉俊輔役
刀剣乱舞/ 三日月宗近役
ジョジョの奇妙な冒険第5部/グイード・ミスタとセックスピストルズ
いよいよ浮世絵展へ挑む!①ヒーローに挑む
主催者のご挨拶文
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歌川国芳(うたがわくによし)は旺盛な好奇心と柔軟な発想、豊かな表現力を武器に幕末浮世絵を活性化させた浮世絵師です。~中略~なお、出品作品はすべて名古屋市博物館の所蔵物で、国文学者尾崎久弥(おざききゅうや)氏と医学者高木繁(たかぎしげる)氏によるコレクションを中心に構成しています。いずれも自分の「好き」をつらぬいて収集された、魅力的なコレクションです。彼らの眼を通して、国芳を領袖(りょうしゅう※ある集団の中の主となる人物)とする『芳』ファミリーの活躍をご覧いただければ幸いです。
歌川国芳作/1827年頃/通俗水滸伝 豪傑百八人の一人 花和尚魯知深初名魯達(かおしょうろちしんしょめいろたつ)
(※音声ガイドを聞きながら、走り書きしたメモがもとになっているためまったく正確ではありません。ニュアンスだけでも伝わると嬉しいです)
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今からおよそ220年前、江戸の日本橋に生まれた歌川国芳は18歳浮世絵師としてデビューしたが、パッとしなかった。それからしばらくして31歳で長編小説「水滸伝」に出てくるヒーローを描き大ヒット!
歌川国芳作/1818~30年頃/源三位 頼政鵺退治(げんざんみ よりまさぬえたいじ)
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国芳の絵の魅力は横長の画面でダイナミックな絵が特徴です。京の都では妖怪ぬえが出没。源頼政が退治した絵を国芳30歳の時に描きました。
※ぬえとは頭は猿、銅はタヌキ、尾は蛇、手足は虎でできている妖怪
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こちらは十数年後、47歳頃に描いた同題材の絵です。建物の遠近法や稲光の広がりなど国芳の進化が分かります。 (私は初期に書かれた妖怪ぬえのほうが迫力があって好きです)
歌川国芳作/1840年頃/八犬伝の内 芳流閣(ほうりゅうかく)
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南総里見八犬伝の一場面を描いたものです。国芳44歳。手練(てたれ※武芸などに熟達していること)同士で戦っている様を描いた絵です。傾斜のついた屋根を大きく描いていることで、躍動感があり、観ているこちらが不安を感じます。こちらの絵は普通より高いのによく売れました。売れたのも納得です。
歌川国芳作/1845年頃/真勇競 弁慶(しんゆうくらべ べんけい)
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「よいしょっ!よいしょっ!」力自慢の弁慶が比叡山修行中に三井寺の鐘を引き上げたという絵です。鐘と弁慶を縦に描くことで「引き上げる」動きを強調しています。
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こちらは横に描かれた同題の絵です。横に鐘を大きく描くことで怪力ぶりが強調されています。タテヨコ違う迫力にご注目ください。
歌川国芳作/1844~46年頃/曽我致宗 本意を達し右幕下の本陣へ切込捕ハるる図 曽我夜討の図(そがときむね ほんいをたっしうばっかのほんじんへきりこみとらわるるず)
↑6枚の絵を並べた完成形(ご禁制バージョン)
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曽我兄弟の[父の敵討ち]を描いた国芳の絵です。何と言ってもこのパノラマ画面に圧倒されますね。大判という定型サイズの絵を6枚繋げて描かれています。ところがこの時期は4枚以上の絵は贅沢だと禁止されていたため、左右3枚ずつの絵とし、いざお店では6枚で見ごたえのあるご禁制の武者絵として売っていました。画面作りの上手さが分かります。
歌川国芳作/1848~54年頃/唐土廿四考 董永(とうどにじゅうしこう とうえい)
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こちらのシリーズは中国に伝わるお話です。(※内容はツルの恩返し的なもの)中国のお話のはずですが、ヨーロッパの風景を描いているようですね。国芳はいくつかの西洋画を所有していることを自慢しており、「このような西洋な絵を描きたいんだ」と嘆いていたといいます。※空に浮かんでいるのは身分を隠していた天女です
歌川国芳作/1845~46年頃/相馬の古内裏(そうまのふるだいり)
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江戸時代に描かれたリアルな骸骨の絵にビックリ仰天!医学書を参考にして描かれました。眺めていると物語(平将門の遺児 滝夜叉姫による妖術※原作では等身大の骸骨が数百体出現するところ、国芳は大きい骸骨一体のみ描いた)の世界に引き込まれる。そんな魅力が国芳の絵にはあります。
音声ガイド付きの絵が沢山あったため、「挑む浮世絵」コラムは計4回シリーズに分けます。美術館展示会の出口から出てきた方はおしなべて皆様「疲れた~」と言われていました。かくゆう私もかなり体力消耗。それだけ見どころ満載の展示会です。続きのシリーズ第二回目をお楽しみに!第三回目が一番国芳のことを好きになる回ですから、最後までご覧くださいね!