あなたは自分が亡くなった後の世界を想像したことはありますか。脳裏に浮かぶのは、悲しむ間もなく相続手続きに奔走する家族の姿。家族に少しでもラクさせてあげたいと思うのであれば遺言書を用意しましょう。人生の終わりは突然にやってくるものだから。
自分の資産だって把握していないのに
私は普段、自分の総資産がどれだけあるかだなんて計算したことはありません。自分のことですらそんな状態なのに、配偶者や父母、義父母の資産額だなんて見当もつきません。
だけれども身内の誰かの終わりは突然にやってきて、否が応にも相続税申告期限のカウントダウンはスタート。(被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内)
故人の軌跡を手繰り寄せる手間に翻弄される日々が始まります。
手繰り寄せるモノ
手掛かりは銀行の預金通帳や郵便物、故人が使っていた机やタンスの引き出し。
口座解約した預金通帳なんて要らないと思って故人が捨てていれば、相続人が銀行へ出向き入出金取引明細を発行依頼。(※最長10年まで発行可能/有料です)
最近は住宅ローン筆頭に銀行のペーパーレス化が進み、入出金履歴はスマホで確認することが多くなってきました。
故にスマートホンのパスワードが分からなければお蔵入り。
過去5年~10年間の入出金取引明細の発行を銀行1行1行へ依頼することになり、発行手数料がどれほどかかるのか、正直怖い。
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スマートホン画面の入出金履歴を毎月印刷して家族に分かる場所に保管すれば足りるのですが、とても面倒です。
どれだけ頑張っても腑に落ちない現実が待っている
現代は家族構成が多様化し、生命保険金や不動産、預貯金が想定外の人へ転がる可能性が増えています。
生きているうちに、
痴呆症になる前に、
対策すれば最悪は回避できます。
対策とは、そう、遺言書作成です。
遺言書つくろう
(なんでも楽しみたい性分です)
遺言書には大きく分けて2種類(自筆証書遺言と公正証書遺言)あります。
先日公正証書遺言作成に携わる機会がありましたので、少しご紹介しますね。
写真は浜松公証人合同役場です。浜松市役所より120m先。遺言書作成者が住んでいる近くの公証役場が良いと司法書士さんに勧めていただきました。
事前にどんな遺言内容にするのかは司法書士さんへお伝えしており、公証人の了解は得ています。(※被相続人・相続人・受遺者の必要書類も提出済み)
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~遺言こだわりポイント~
〇相続人・受遺者が先に亡くなったとしても、面倒な代襲相続はしない
(※受遺者とは・・・ 法定相続人以外に財産を相続する人間)
〇不動産は現在住んでいる人間に100%相続させる(他の相続人に追い出されないために)
ビルのモニュメントがポケモンに出てくるバタフリーにそっくりで笑っちゃいました。
いざ、入室!
公証人と初対面
浜松公証人合同役場の窓辺の景色。
今回私は遺言執行者という立場ですが、この場には全く必要ない存在でした。拍子抜けです。
ベテラン公証人さんは手慣れた物言いで淡々と進めてゆき、それを立会人2名は見守ります。
若年層の遺言書作成者に対しては遺言証書を読むだけでスムーズに。
高齢の遺言書作成者に対しては、遺言証書は読まずに砕けた口調で「①誰に②何を渡すのか」本人から聞き出そうとします。
立会人さんが助け舟を何回か出してくださり、なんとか認めていただきました。ヒヤヒヤする~
公証人の手数料
最後に公証人へ手数料を現金でお支払いして終了です。
公証人の手数料は遺言作成者の総資産額によって基本料金が決められています。
(※預金通帳コピーや不動産謄本は事前に提出済)
遺言作成者の資産額(一部抜粋) | 基本手数料 |
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500万円を超え1,000万円以下 | 17,000円 |
1,000万円を超え3,000万円以下 | 23,000円 |
3,000万円を超え5,000万円以下 | 29,000円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 43,000円 |
基本料金だけでなく、以下のものがプラスされます。
- 相続人数×〇円・受遺者数×〇円(資産額により異なる)
- 資産額が1億円以下のときは11,000 円加算(遺言加算)
- 遺言書の超過枚数1枚につき250円
- 正本および謄本代として枚数1枚につき250円
相続する人数や資産額が多いほどに手数料が増えていき、高額になります。分かりづらい!
公正証書遺言の感想
公証役場に原本保管&デジタル保管される安心感と、自筆しなくて良いのが魅力の公正証書遺言です。
遺言書の正本(法律上原本と同じ取り扱いが可能な遺言書)と謄本(正本の写し)が入った封筒を女性スタッフから手渡される時に「封をしないでくださいね。」とアドバイスされました。
封をすると家庭裁判所でしか開けられなくなってしまうそうです。うっ面倒、、、
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今回遺言執行者になった私ですが、具体的にどんな働きをすればよいのか説明はありませんでした。来たる時にまた勉強します。
桜コンサルタントは刈谷郵便局本局斜め向かいの不動産屋です。刈谷市・安城市・知立市・岡崎市・高浜市・西尾市・碧南市・東浦町・大府市・豊明市・名古屋市緑区を中心とした三河エリアの不動産売買を承ります。たまに東京の不動産も仲介させていただいていますヨ。不動産のことでしたらなんでもお気軽にご相談ください!