街の不動産屋には『借地上に建物を建てて、現在地主さんと協議している方』が相談に来られることがございます。最近は代々引き継がれる借地を自分の代で終わりにしたい、という方も多いです。[不動産の終活]について、それぞれの立場に寄り添いながらご一緒に考えます。
借地上に建物を所有するテナントオーナー様からのご相談
自分が高齢になり、自分が亡くなった後の店子さんがどうなるのか心配だ
まずお相手があることなので、テナントを借りている店子さんのお考えを知るためにアンケート用紙を作成いたしました。テナントオーナー様がご高齢になり、なおかつ相続人が居ないために亡くなった後、借地を地主様へどう返還するのか、建物を壊して更地にするのは誰がやるのか、店子さんはどうなるのかをご一緒に考えるお手伝いをしました。当人どうしの会話だけでは話が進まなかったため、文書化を提案。このアンケートでお互いの考えがはっきりとし、近くて遠い未来に道筋ができました。
借地人の世代交代で土地管理が年々難しくなる地主様からのご相談
昔から土地を貸しているため、借地人の世代交代もあり管理しきれない
借地人さんの情報が足りないことが問題と考え、先祖代々土地を借りている方へ向けたアンケート用紙を作成いたしました。すでに世代交代の時期に来ている借地人さんが多いため、アンケート用紙には「30年後にあなたは何歳ですか」という文言も入れています。この質問は、不動産屋という職種だけで聞くには、大変失礼なことかもしれませんが、[社会保険労務士]という資格を持ち、実際に年金事務所で働いていたことや労務士事務所で働いていたことを説明させていただくと、和らぎます。
実際に作ったアンケート用紙
借地を次に相続する方の連絡先もご記入いただくことで、管理がしやすくなります。
借地ご相談まとめ
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お相手のあることなので地主様、借地人様のそれぞれの想いに寄り添って話し合いを進めます。地主様と借地人様、または店子様(当人どうし)では本音が言えずまとまらない話でも、間に第三者が入ることによって(時間はかかるかもしれませんが)話が進む可能性があります。弁護士や宅地建物取引士が介入することに対して身構えてしまう方でも、社会保険労務士として接することでイメージが和らぎ、「終活のお手伝い」の一環として円満に話を進められるのではと、可能性を感じています。